3歳になると、幼稚園入園に際して、お母さんはさまざまな幼児教育について気になってきますよね。
モンテッソーリ教育の用語のなかに「お仕事(おしごと)」という言葉があります。
これは、大人が毎日行うお仕事のことではなく、その子の現在の発達に合わせた今一番やりたい事を選んで主体的に取り組むことを「お仕事をする」と呼んでいます。
ここでは、モンテッソーリの基本的な考えかたや、家庭での実践例、また3歳の子供にぴったりのモンテッソーリ流「お仕事」をいろいろとご紹介したいと思います。
教具は揃えなくてもOK! 3歳児におすすめの「お仕事」5選
「モンテッソーリ教具」と言って、お仕事のための専用の道具が数多く販売されています。
たしかに時代を越えてもなお普遍的で優れた教具がたくさんあるのですが、少々お値段がはります。
家にあるもので代用できたり、市販のものを組み合わせたり、手作りしてみたり・・・・
正規品を揃えなくても、モンテッソーリ流を実践するにはそのような対応で全然問題ありません。
もっと言えば、特になにか準備をしなくても、毎日の生活のなかで家事のお手伝いをしてもらうだけで、立派な「お仕事」になるものがたくさんあります。
3歳児におススメなお仕事を5つご紹介しましょう。
色鉛筆削り
色鉛筆についている、ちいさなミニ鉛筆削りで大丈夫です。
手首や指を上手に使って動かせるようになるまで、ちょっと練習が必要ですが、慣れると削りカスが出てくるのが面白いので、飽きずに何本でも削ります。
ちょうど数にも興味をもつ時期なので、削った色鉛筆の数を数えるのもよいと思います。
削るのにハマると、まだ尖がっているのにひたすら削るので、色鉛筆がどんどん小さくなってしまいますが、広い心で許してあげてくださいね。
野菜の皮むき
料理のお手伝いは本当に一番手軽で効果的な「お仕事」です。
我が家の3歳児も大好きな「お仕事」で、カレーの材料に使う野菜の皮むきはすべてやってくれます。
玉ねぎの皮むきは手でできるので、2歳ぐらいからできますが、
ピーラーを使うものは3歳になってからのほうが安心して取り組んでもらえます。
人参は、皮と実の色が同じで区別がつきにくいので、最初は何周も何周も剥きつづけて、
私が気づいたときには、人参がゴボウのように細長くなっていて大爆笑した覚えがあります。
その点じゃがいもは、皮と実の色がはっきり区別がつくので、子供がちゃんと終わりにしてくれます。
文字なぞり
モンテッソーリ教具には、砂文字という教具がありますが、まさにその砂文字の良さを
デジタルにしたものが、「ひらがななぞり」や「カタカナなぞり」といったアプリです。
アプリは、書き順のお手本が見れたり、
勝手に花丸がついて次に進んでくれるので大変便利です。
まだ、上手に書けなくても、文字と音が一致しなくても十分熱中してくれる「お仕事」です。
3歳児にとっては、文字を勉強する、というよりも、まず「なぞる」ということを楽しむのに最適なアプリだと思い、ご紹介しました。
ストローのネックレスづくり
教具でいう「紐とおし」の難易度があがったバージョンです。
さまざまな色のストローを2cm~3cmぐらいに切ったものを用意します。
毛糸用の太い針(先が尖っていないので安全です)に細めの毛糸を通してあげます。
最初の1個はストローと毛糸を結んであげる必要がありますが、2個目からは
子供が集中して作り始めますよ。
素敵なオリジナルネックレスができあがるので、特に女の子におススメしたい「お仕事」です。
洗濯物たたみ
最初はハンドタオルやハンカチなど、四角い小さいものがおススメです。
それができるようになったら自分のTシャツやズボン、というようにできるものがどんどん増やしていくことができます。
最初に畳む順番や、服のどの部分を持ってどのように畳んでいるかを、スーパースローモーションで見せてあげるのがコツです。
その時は、口で説明するのではなく、動作だけをゆっくり見せます。
この教え方は、「教示」というモンテッソーリで特徴的な方法で、耳からの情報と目からの情報を同時に処理するのが難しいため、まず目からの情報だけを伝える、というやり方です。
この「教示」の手法は、洗濯物たたみだけでなく、ボタンかけ、蝶々むすび、など
さまざまなことに応用できますよ。
この教示の方法を使うと、何度教えてもできなかった子供が、一発でできるようになったりするので、是非やってみてください。
3歳は文字や数の敏感期。急いでひらがなや計算を詰め込むのはNG!
3歳の子は、いま一番やりたい事を飽きるまでやりたがりますよね。
その背景には「敏感期」があります。
あることに異様に執着したり、夢中で同じことばかりを繰り返す時期があり、
そのような行動は、今まさにその能力を習得しようとしているときに現れます。
例えば、ベッドの並べるぬいぐるみは、
クマさん、ウサギさん、ペンギンさん、パンダさんの順で並んでないと気が済まない、とか
紙を見つければ、とにかくハサミで細かく切り刻んで部屋じゅうに散らかす、など。
このような行動も、「敏感期」からくる行動です。
3歳になると、言葉も喋れるようになってコミュニケーションもしっかりとれます。
走る、跳ぶ、持つ、ひっぱる、など運動機能も発達して、自分の身体をうまくコントロールして大きな動作ができるようになっています。
そうなると次は、運動の敏感期のなかでも、手や指を器用に使えるようになるための敏感期に入ります。
そして言葉の敏感期のなかでも、しゃべることから次は新たに文字に興味をもって執着する子もいます。
我が家にも3歳半がいますが、しょっちゅう不思議な文字や記号の並んだお手紙を書いてくれます。
なんて書いてあるのかわからないので、毎回内容を尋ねた後にありがたくいただくことにしています(笑)
また、数や順番に執着して、お菓子は3個じゃないとダメだったり、
お風呂では毎回同じ順番で身体を洗わないと怒ったりするようになります。
これらが3歳によくみられる文字や数や順序に関する敏感期です。
敏感期はまさに興味への入り口ですから、
これを逃さずに育んでいく必要があるのですが、
ひたすらひらがなワークを詰め込み学習させたり、足し算などを教え込むのは
ちょっと注意が必要です。
モンテッソーリでは、発達の基礎を大切にします。
建物の基礎がきちんとできあがっていないまま、
2階や3階をつくると建物はグラグラと安定しなかったり崩れてしまったりします。
子供の能力を伸ばすためには、
発達の順を追って着実に力を積み上げることが大切だとモンテッソーリでは考えます。
ですから、慌てて早期教育を詰め込むのではなく、子供ひとりひとりの発達のスピードを見極めて、今その子が一番集中して取り組めるお仕事をやらせてあげることが何よりも大切なことなんです。
うちの子供たちのなかでも、興味をもつ時期は上の子と末っ子では全然違いました。
一番上の子は文字に興味をもつのが遅く、
文字カードなどを作って準備してもなかなか興味をもってくれませんでした。
しかし、現在3歳半の末っ子は、上の子たちの真似をして日常的に絵本を読んだりお手紙を書いたりするために、文字への興味は上の子と比べてだいぶ早くやってきました。
子供の発達は一人一人スピードが違います。
焦ったりする必要は全然なく、その子の敏感期を待ってあげることが大切なんだなと私自身も勉強になりました。
また、運動機能の発達は、身体の中心から末端へ、大きな動作から細かい動作へとうつっていきます。
細かい手や指の動作ができる「器用さ」は自立に直結しています。
なぜなら、自分でできることが増えると、どんどん自信が持てるようになるからです。
逆に不器用さは、物事の苦手感から自信を失うことにつながってしまいます。
自分が思ったとおりにできなくてイライラする、自分で自分のことができなくて怒られた、など
苦手なことが増えると自信がなくなってきてしまいます。
例えばお箸がうまく持てないからといって、無理にお箸のお仕事ばかりを強制的にさせるのは、苦手意識を強く持ってしまうことにつながるため、逆効果です。
お仕事は、最初は親の方からおすすめするのもOKですが、基本的には子供がやりたいものを選ばせるのがベストで、親が強制してやらせることがないように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
「モンテッソーリ教育」は、世界の名立たる創業者や藤井聡太棋士なども受けた教育、
ということで有名です。
なんだか難しそうだな、とか、専門の園に通わなきゃいけないのかな、などと思ってしまいます。
しかし、モンテッソーリの考え方を知ると、非常にわかりやすく、今日から家で実践できるものもたくさんあります。
むしろ、家で営む日常生活のさまざまな事こそが重要という考え方が含まれているのです。
モンテッソーリ教育が難しいお勉強のようなものではなく、気軽におうちではじめられるものだとわかっていただけたかと思います。
また、教具も素晴らしいデザインのものが多く、お好きな方は揃えているようですが、
揃えなくても家にあるもので代用したり、特になにも準備しなくても、「お仕事」は実践できるんです。
なかでも、毎日の生活に根ざしたお手伝いや作業に取り組んでもらうのが、
なにより効果的な「お仕事」になる、という点がモンテッソーリの素晴らしいところだと私は思っています。
あなたも、是非今日からモンテッソーリ流「お仕事」を取り入れてみてくださいね。