今回は、モンテッソーリ保育園・幼稚園のメリット・デメリットと
モンテッソーリ教育における子供の向き不向きについてお話ししたいと思います。
モンテッソーリ教育は優れた教育方法ですが、必ずしも万人に向いている教育方法ではありません。
藤井聡太氏やビルゲイツ氏など、なにかに突出している有名人が、モンテッソーリ教育を受けて育った、などという報道をよく見ますよね。
彼らにモンテッソーリ教育が向いていた、性に合っていただけなのかもしれません。
まず、モンテッソーリ教育に向いている子はこのような子です。
- ハマりやすいタイプ
- のんびりマイペース
- 好奇心旺盛なタイプ
一見すると、落ち着きのある子や静かに座っていられる子が向いているように思いますよね。
しかし、どの子供でも敏感期にぴたっとはまるものを見つけたら「集中現象」が起こり、
ずっと集中してひとつの事に取り組むようになります。
ですから、もともとの集中力などは、あまり関係ありません。
もちろん、じっくりと、自分のペースで自分の興味あるものを探し出し取り組む子供にとっては、
非常に居心地のよい環境になります。
反対に、モンテッソーリ教育に向かない子はこのような子です。
- スポーツ(特にチーム戦)大好きタイプ
- みんなで何かを作り上げることが好きなタイプ
- 独創的なタイプ
また、モンテッソーリの向き不向きは、
親や家庭の価値観がもっとも影響するとも言われます。
今回は、モンテッソーリ園の向き不向きやメリット・デメリットについて詳しくお話します。
モンテッソーリ幼稚園・保育園の向き不向き。外遊び・集団活動・独創性・親の価値観
ここでは、モンテッソーリの保育園や幼稚園の向き不向きについて、
外遊び・集団活動・独創性・親の価値観の4つの視点でお話します。
モンテッソーリ園の向き不向き①外遊びが少ない
通常の幼稚園や保育園でも、園によっては、
「活発な子にはストレスがたまりやすい」とよく言われますよね。
それは、外遊びの時間が少ない園がある、という問題です。
この点は、モンテッソーリだから外遊びが少ないというより、
園によって大きな差がある(都会や町中の園では外遊びが少なくなりがち)問題です。
本来、海外でのモンテッソーリ教育では、森や自然のなかでの活動も多いのですが、
日本では園庭の広さの問題などがあり、なかなか理想的な環境が整えられていない側面があります。
その点が、身体を動かす活動が少なくなって原因かもしれません。
モンテッソーリ園の向き不向き②集団活動が少ない
また、モンテッソーリ教育では、
全員で同じ体験を共有する時間をそこまで重視していません。
ですから、みんなとワイワイなにかをやりたいタイプの子には面白くないかもしれません。
スポーツでいえば、チーム戦で戦うような競技が好きなタイプは
どちらかといえば、不向きであるといえるでしょう。
モンテッソーリ園の向き不向き③独創性に欠ける
また、モンテッソーリ教具の取り扱い方には厳密なルールがあります。
子供ですから、人とは違うユニークな発想をしたり
面白い使い方を見出して遊びだすこともあるかもしれません。
しかし、モンテッソーリ教具は正しく使うことを求められるので、
すごく独創的な子には窮屈に感じるかもしれません。
モンテッソーリ園の向き不向きは『親・家庭の価値観』も大きく影響する
さらに、「子供よりも向き不向きがあるのは、親や家庭です」ともよく言われています。
どういうことかというと、
「子供にこうなってほしい、ああなってほしい」という
親の理想が大きい場合に、モンテッソーリ教育は合わないケースがあるのです。
モンテッソーリ教育では、子供の主体性を重視するため、活動内容は子供が決めます。
教師は環境を整えることに徹し、大人がなにかを教えたり、やらせたりすることは基本的にありません。
このため、子供・先生に対して特有の指導を求める親御さんには、モンテッソーリ教育はおすすめできません。
次に、モンテッソーリ保育園・幼稚園のメリット・デメリットをまとめていきますね。
どんな教育法にも一長一短あり。モンテッソーリ園のメリットとデメリット
モンテッソーリ教育のメリットとデメリットを3つずつ挙げたいと思います。
メリット①子供が主体的・意欲的になる
メリット②自己肯定感が生まれる
メリット③思いやりの心がうまれる
デメリット①モンテッソーリ教具の使い方が難しく、汎用性がない
デメリット②家庭で環境を整えづらい
デメリット③小学校教育との連携がない
モンテッソーリ園のメリットは先生がいないこと?!子供が主体的・意欲的に
「モンテッソーリ こどもの家」というドキュメンタリー映画を観ると、海外でのモンテッソーリ園の様子が非常によくわかります。
私が娘といっしょにこの映画を観たとき、娘がまず言った言葉が
「先生はどこにいるの?」 でした。
私たちが想像する「先生」は、子供達の前に立って「さあ、つぎは○○しましょう。」と
全員に行動を促す存在ではないでしょうか。
そんな存在が、この映画の中には登場しないのです。
子供達は、自分で自分のやることを決めて取り組んでいます。
先生は遠くから見守っていて、助けの必要な子を見つけると、そっと手助けをして、
助けが必要なくなると、そっと身をひきます。
このような環境に身をおくと、子供たちは、常に自分の行動を自分で決めることになりますから、自主性が高まり、物事にたいしていつも意欲的に取り組みます。
それから、自分ができるようになるまで、満足するまで物事に取り組めるので、
「自分はできる!」という有能感や達成感をじゅうぶんに味わう経験ができます。
これは成長した後にも、自己肯定感としてあらわれます。
協調性が無くなる?モンテッソーリ園のデメリットは?
また、モンテッソーリ教育は個を大切にしすぎて協調性が育まれない、と思われがちです。
しかし、モンテッソーリ園では年少クラス、年長クラス、などがなく、
年長の子から年少の子までが同じクラスで活動する、縦割り保育になっています。
自然と大きい子が小さい子を助けるようになります。
ルールを教えたり、教具の使い方を教えたり、
面倒見の良いお姉さんお兄さんが、映画のなかにもたくさん出てきます。
そうして、年長の子に教わって成長した子供たちが、自分が年長になると
自然と下の子のことを思いやったり、面倒をみることができるようになるのです。
モンテッソーリ教具の扱いにはルールがある。創造性は育みにくい
一方のモンテッソーリ教育のデメリットとしては、
数々の独特なモンテッソーリ教具を扱う環境は、そう簡単にセッティングできないことです。
正規の教具ひとつひとつは非常に高価で、しかも様々な種類があり、それぞれの扱い方には
きちんとルールがあり、他の使い方は許されません。
モンテッソーリ教具は非常にすぐれた教具であるのですが、そこが難点です。
家庭で再現しようとしても、限界がありますし、使い方を子供に提示するのが、とても難しい面があります。
先程もお話したように、独自の感性で創造的に遊びたい子には窮屈かもしれません。
モンテッソーリ最大のデメリットは、日本の小学校教育との連携がない事!
そして、個人的にモンテッソーリ園における最大のデメリットと思うのは
日本の小学校教育とモンテッソーリ保育園・幼稚園の連携がないことです。
海外には、モンテッソーリ教育を行う小学校・中学校が数多くあります。
一方で、日本のモンテッソーリ小学校はわずか数校、しかもすべて認可外の小学校です。
あとはインターナショナルスクールで取り入れられている程度です。
モンテッソーリ教育で培ってきたものを、継続して小学校でも発展させていく環境が整っていない事が、私は最大のデメリットだと思っています。
モンテッソーリ教育に限らず、世界には優れた幼児教育法が数多く存在します。
海外ではそのメソッドと小学校教育がつながっていくようなカリキュラムが存在しています。
しかし、日本においての義務教育では、多様な幼児教育のメソッドとのつながりが途絶えてしまうのです。
そうすると、どんな問題が起こってくるのでしょうか。
例えば、モンテッソーリ教育がすごく性に合って、園生活が生き生きと過ごせていた子が
急にまったく違う教育方針の小学校で馴染めず、不登校になってしまう、
といった事例が出てきてしまうのです。
子供にモンテッソーリ教育を受けさせるかどうかを決める時に、
親が考慮しておかないといけない大きなポイントではないかと思います。
例えば、日本の小学校はどうしても時間割で動かなければなりませんよね。
しかしモンテッソーリ園では、基本的に時間割がなく、おしごとに関しては自分が納得するまで続けることができ、終わりは自分で決める、というのが定番です。
この生活リズムに慣れている子が、いきなり小学校の時間割の生活に切り替える、というのは子供にとって非常に大変なことです。
幼稚園や保育園の生活で、おしごとの時間がどれぐらいの割合を占めている園なのか。
子供達みんなでいっしょに活動したり、外遊びをしたりする時間がどれぐらいとれる園なのか。
卒園後スムーズに小学校に馴染めるよう段階的な配慮やサポートがあるか、等
モンテッソーリ園を選ぶ際はよく確認すると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
モンテッソーリ教育を含めて、さまざまな教育方法は必ず一長一短があるため、
お子さんが必ずしも居心地のよい環境になるとは限りません。
また日本国内においては、小学校との連携がない点が非常にネックになります。
お子さんの性格や、各園の方針などをよく吟味してあげることが
大切ではないでしょうか。
モンテッソーリ教育の実践園での様子を知るには、「モンテッソーリ 子どもの家」という
海外ドキュメンタリー映画がとてもおススメです。
是非いちど視聴して、参考になさってはいかがでしょうか。