まだ幼稚園にあがらない2歳のお子さんだと、ちょうどイヤイヤ期でいろんなこだわりを爆発させているのではないでしょうか。
お母さん達を困らせるその「こだわり」は、モンテッソーリでは「敏感期」と言っています。
何かを習得するために、そのことについてすごく敏感になってこだわる時期のことですね。
つまり、まさに新しい能力を獲得している最中というわけです。
モンテッソーリでは、そのこだわりを「おしごと」に変えてあげることで子供たちの欲求を満たし、
お母さん達をイライラから解放することができます。
特に2歳のころは多くの敏感期を迎えています。
ですから、モンテッソーリをはじめるのには絶好のチャンスでもあります!
特別な園や学校に通わなくても、モンテッソーリメソッドはおうちで簡単に始められますよ。
とはいえ、さまざまな教具を揃えなきゃいけないんじゃ・・・・と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
もちろん素晴らしい教具はたくさんありますが、
教具を買わなくてもおうちでモンテッソーリを実践することは簡単にできるんです。
おうちでモンテッソーリ教育を実践するにあたって、まず必要なのが
おもちゃコーナーの整理整頓です。
さまざまなおもちゃが、大きなおもちゃBOXにごそっと詰め込んである。
子供が、おもちゃで遊んだあとのお片付けを全然しない。
こんなご家庭ありませんか?
何を隠そう、我が家も以前はそんな状態だったんです。
モンテッソーリ流にするためには、簡単なルールがいくつかあります。
- 棚は低くする
- 収納ケース(教具を入れるトレイ)を統一する
- 分類をし、そのケースに何を入れるか明記する
- ケースを片付ける場所を明示する
これを実践したところ、見た目もキレイだし、子供も自ら片づけをするようになりました。
それでは、モンテッソーリ流の整理整頓の仕方を詳しくみていきましょう。
2歳は「秩序」の敏感期。おもちゃ棚を整備するには絶好の時期。
まず、おもちゃコーナーを整理整頓するのにはわけがあります。
子供の敏感期のなかに「秩序に関する敏感期」というのがあります。
たとえば、「歯磨きのしあげをするときは、この座布団の上に座らないと気に入らない」とか
「お気に入りのぬいぐるみは、決まった並べ方があって、間違っていると怒る」とか
「ヨーグルトはかならず青い器にいれないと嫌だ。」とか
大人からすると、なんで?と思う変なマイルールの数々ですよね。
これらの、順番、場所、おさまりに関するこだわりを発揮しているその時期を利用して
お片付けや整理整頓を身に着けていくのが、非常に効果的なのです。
おもちゃコーナーをモンテッソーリ流にするルールをひとつずつみていきましょう。
棚は低くする
モンテッソーリでは、子供の使う道具をすべて子供サイズにすることを推奨しています。
それによって、これは自分の持ち物だ、という所有のこだわりをもたせることができます。
この棚のものは、自分の持ち物で、自分の持ち物は自分で整理整頓するのだ、という
意識をもたせることができます。
そして、棚はオープン棚がベストです。
扉や引き出しのなかにしまうのではなく、つねに物が見える状態に並べておくことが
モンテッソーリ流なのです。
収納ケース(教具を入れるトレイ)を統一する
モンテッソーリ教具の場合だと、それぞれの「おしごと」別にトレイがあり、トレイに教具が載せてあります。
子供は、やりたい「おしごと」のトレイごと自分の机に運んできて取り組み、またトレイをもとの棚に戻します。
おうちの場合は、トレイでもよいのですが、バラバラしたおもちゃだったりするので、中身の見える透明の収納ケースなどがおススメです。
まずは、棚の奥行きなどに合わせて、子供にとってちょうどよい大きさの透明な収納ケースを揃えて、そのなかにそれぞれおもちゃや道具をしまっていきます。
分類をし、そのケースに何を入れるのか明記する
まずはお母さんが、分類のルールを決めてあげるとよいと思います。
このケースはブロック、このケースははさみやのりなど工作道具、このケースはパズル、
というように分類して、ケースの外側に絵や写真を貼り、中に入っているものが一目でわかるようにします。
絵が得意なら、アイコンのようにかわいい絵をシールのように貼ってあげるのも良いですし、中身の写真を撮ってそれをケースに貼っておくのでも良いです。
とにかく、このケースに何を入れるのか、がはっきりわかる状態にしておくことがポイントです。
そして、ケースががらがらでもそれ以外は入れません。
ケースの中身がぎゅうぎゅう詰めなのはNGです。
出し入れがしづらいと、子供は片付けが面倒に感じてしまうので、ケースの中身は50%以下がおススメです。
片付ける場所を明示する
どのケースに何を入れるかがはっきりしたら、今度は、このケースを棚のどこに置くか、を
決めてしまします。
さきほどケースに貼ったイラストや写真をもう一枚印刷して、今度は棚の方に貼ります。
ケースが元の位置にもどれば見えなくなり、ケースを出すと、底板にそのイラストや写真が貼ってあるのが見える、という状態です。
イメージ的には、棚が都道府県で、ケースが市町村や番地、といったイメージでしょうか。
アドレスをきちんと明記してあげることで、おもちゃが迷子になることなく家に帰れるというわけです。
この感覚が身につくと、大きくなって字が読めるようになったときも、引き出しにしまうものの名前をラベルで貼り、自分で整理整頓ができるようになります。
はじめはお母さんが作ったルールや分類ですが、
敏感期を利用してそのルールを、子供のマイルールに溶け込ませていくのです。
するとこの分類、秩序化の感覚が身に付き、大きくなっても役立ちます。
モンテッソーリ流のおもちゃ棚で育ったうちの娘は、小学生になって学習机が与えられた時、自分で引き出しの中に入れるものの名前をラベルで貼り、自分で整理整頓ができるようになっていました。
モンテッソーリ教具棚は「見せる収納」のお手本。100均でできる実践例
ここまでお読みになった方は、モンテッソーリの教具棚が、究極の「見せる収納」だということにお気づきかと思います。
そうなんです。
今までおもちゃをとりあえず「隠す収納」していたあなた。
今日からそれをオープンに「見せる収納」に変えるだけで、もうモンテッソーリ流です。
子供にとって、目の前に見えないものを認識、把握することは非常に難しいのです。
だから、おもちゃもすべて「見える化」して、さらにおもちゃが迷子にならないように
1つ1つアドレスをしっかり決めてあげると良いのです。
子供にとっても、それぞれすべてのおもちゃに家があって、おもちゃがきちんとおうちに帰れることは、とても気持ちの良いことなのです。
この気持ちの良い感覚を、「秩序の敏感期」を利用して体験していると、のちのちも整理整頓ができる子供に育っていきます。
私自身も、モンテッソーリを始めてから、こどものおもちゃコーナーを大改造しました。
我が家は階段下収納の納戸があり、天井が低いので
秘密基地のようで子供にぴったりだな、と気づきました。
そこで、納戸を子供のおもちゃコーナーとして活用しています。
改造以前は、カラーボックス用の大きな収納箱に、ごそっとおもちゃが入っていました。
まずそれをやめて、細かく分類をして、程よい大きさの収納ケースを揃えることにしました。
おもちゃコーナーを作るにあたり
子供が開けやすくて持ちやすいサイズの収納ケースをさがしていたのですが、
わたしは100均で売っている「靴用の透明収納ケース」が一番使いやすかったです。
蓋が閉められることと、
蓋が軽い力で開けられること、
大きさがちょうどよかったこと、
この3つが選んだポイントでした。
そしてこの靴用の収納ケースがずらっと並べられるように、DIYをしました。
なぜなら、奥行きの狭い棚ってあまり規格品として売っていないからなんです。
まず、ホームセンターで幅15cm程度の木材の板を購入して、納戸のスペースに合わせて
長さをお店でカットしてもらいました。
そして、同じくホームセンターで、おしゃれなL字型をした棚受け金具を購入しました。
納戸の壁に、ドライバーで棚受け金具を取り付け、その上に板をのせて金具と固定し、
子供の背に合わせて3段ほど棚ができました。
奥行き15cmの棚板は、靴用収納ケースを横に並べるには、ぴったりのオープン棚です。
あとはモンテッソーリ流のルールで分類をして、棚にも分類シールをつけていけば出来上がりです!
DIYが好きな方は、使いやすいようにオープン棚を作ってみるのもおススメですね。
まとめ
いかがでしたか?
モンテッソーリ流のお部屋づくりは、究極の見せる収納だということがわかりました。
そして、このおもちゃの収納は、秩序の敏感期に入る2歳の子供にとって、非常に効果が高いこともわかっていただけたかと思います。
モンテッソーリは何歳からでも始められます。
特に魔の2歳児といわれるイヤイヤ期に疲れ果てて、どうしてよいかわからないお母さんが、モンテッソーリ教育にたどり着き、親も子もハッピーに変わっていった例はたくさんあります。
まずは、おもちゃ棚を整理整頓するところから、モンテッソーリを取り入れてみることをおススメします。
なんだかお部屋全体が、すっきりおしゃれに片付くこと間違いなしですよ。