子供が幼児期に、モンテッソーリ教育に興味をもち、おうちにモンテッソーリ教具棚を置いているお母さんたちは多いのではないでしょうか。
特別な園に通わなくても、モンテッソーリ教育は、家庭でもゆる~く実践でき、親も子も笑顔になれる魔法の子育てメソッドです。
さて、幼児期にこの魔法のメソッドの恩恵をたくさん受けたあと、お子さんが小学校にあがり今まで使っていたモンテッソーリ棚はどのようにされていますか?
モンテッソーリ教具の多くは、6歳までの子供を対象としたものが多く流通しています。
毎日飽きるほど取り組んだ教具も、敏感期をすぎるとあまり触ることがなくなるのではないでしょうか?
この素敵なモンテッソーリ教具棚はもう不要になってしまうのでしょうか。
答えはNOです。
小学生にあがったからといって、今までのモンテッソーリ棚をすぐに片付けてしまう必要はありません。
だいたい3年生~4年生(9~10歳)くらいまでは、お気に入りの教具を厳選して、教具のいくつかは棚にディスプレイしておくことをおススメします。
お子さんが毎日触らなくてもかまいません。
ただ、飾っておくだけでもかまいません。
厳選する教具は、ある程度の難易度がある「日常生活の練習」にあたるおしごとがおススメです。
特に、その子供が小さい頃一番はまってよくやっていた作業、
たとえば「縫いさしのおしごと」や「編むおしごと」など、黙々と没頭できそうなものを残しておくのが良いです。
その理由はこの後で説明することにして、今回は
「日本と海外における小学生のモンテッソーリ教育の違い」
「子供が小学生になってもモンテッソーリの棚がまだ必要と言える理由」
についてお話します。
「おしごと」で原点に戻る。小学生にもモンテッソーリの棚がまだ必要な理由
海外では、幼児期にモンテッソーリ教育を受けた子供達がそのまま継続して学ぶことができるエレメンタリースクールが数多く存在しています。
ちゃんと義務教育の学校として認可されているのが特徴です。
しかし、日本ではモンテッソーリ教育を実践する小学校は東京都内に3つしかありません。
モンテッソーリの幼稚園は全国にたくさんあるのに、小学校はたったの3つです。
モンテッソーリスクールは、一般の小学校とくらべ、時間割がなかったり、成績表や宿題はなかったり、学ぶ方法がまったく違うのです。
しかも、この小学校は認可外の学校のため、公立中学や高校への進学が大変難しいという現状があります。
公立の小学校に入学したのちもモンテッソーリ教育を続けたい場合は、週に数回塾のような形で放課後に通うスクールはあります。
このような塾形式のスクールでは、3歳ぐらいの幼児から学童期の小学生まで同じフロアで過ごしているのが特徴的です。
そして面白いことに、小学生がときどき幼児エリアの教具棚にやってきて、昔やっていたおしごとを黙々と取り組む姿というのが、よく見られるそうです。
心を落ち着かせたり、自分を見つめなおしたり、その子によってさまざまでしょうが、小学生になっても教具棚を身近に置くということが、良い効果をもたらすことが見てとれます。
モンテッソーリ教育で育った子供達が「大人になった後」を取材している書籍でも、自分の原点として、幼児期の教具を使ったおしごとの思い出を語る人が非常に多いのも事実なのです。
そのときに没頭した作業が、将来の職業へとつながっていった人も多く紹介されていました。
このように、モンテッソーリ教育は幼稚園まででピタっとおしまい!ではなく、モンテッソーリ流の学び方を、小学生になっても続けていく、というメリットはたくさんあります。
そのひとつとして、教具棚を部分的にでも残しておくことは非常に有効な方法といえると思います。
特に現在、日本の義務教育で強化しなければならない力として、『非認知能力の向上』があげられています。
モンテッソーリ教育で特に重要視されているのが、
学力テストでは測れない『非認知能力』です。
非認知能力とは、よくニュースなどでも耳にする「生きる力」と同じものと考えてよいと思います。
従来の日本の義務教育ではあまり取り入れてこられなかった部分なので、世間の注目度、関心度も高まっているんですよ。
モンテッソーリ棚は究極の魅せる収納。インテリアに生かしても◎
さらに、モンテッソーリの棚は、教具を並べる外の活用方法もたくさんあります。
モンテッソーリ棚の特徴といえば、
- オーブン棚
- 棚の背丈が低い
- 無垢材の棚
この3つです。
これらの3つは、実はナチュラルでおしゃれな部屋づくりに欠かせない三拍子です。
つまり、モンテッソーリ教具棚はインテリアセンスも非常に高い、ということなんです。
もし、お子さんが中学生や高校生になって教具棚としては使わなくなっても、ディスプレイするものを変えるだけで、おしゃれな空間に変えることができます。
私はモンテッソーリ棚の強みはここにあると思っています。
そして、モンテッソーリ棚には、収納の仕方にも大きな特徴がありますよね。
必要な道具が1つのトレイやプレートに乗っていること、トレイの置く場所がきちんと提示され、きれいに整理整頓されていること、です。
教具棚は、子供が「このおしごとをやってみたい!」と思わせるような素敵なショーウィンドウの役割をしています。
いわば、ディスプレイです。
これらは、「魅せる収納術」のお手本的要素といえます。
子供のころに培ったモンテッソーリ棚の片付け方は、大人になってからも、まるでおしゃれな雑誌に載っているような、センスあるお部屋を保つのに非常に役立ちます。
モンテッソーリ棚は、幼児期から小学生までは、長く教具棚として使い、そのあとはインテリア家具としてまた一段と良い仕事をしてくれること間違いなしですね。
まとめ
いかがでしたか?
モンテッソーリ教具棚は、お子さんが小学生になっても現役で使用するメリットがあることがわかりました。
また、教具をディスプレイしなくなった後でも、モンテッソーリ流の魅せる収納術で、おしゃれなインテリア空間を作れるんですね。
それならちょっと奮発して、無垢材の素敵な教具棚を揃えてもよいかもしれませんよね。
これから教具棚を置こうと思っている方、すでに教具棚をお持ちの方の参考になればさいわいです。