モンテッソーリ教育に興味があるけれど、何から始めてよいか全然わからない。
しかも、近くにモンテッソーリ教育を実施している園・施設がない。
すごく興味があるのに、あなたはそのような思いで諦めていませんか?
そんなお母さんに朗報です。
「モンテッソーリ教育」って、お受験のようなイメージを持つ方も多いようですが、
実はもっと気軽に日々の生活に取り入れられる、一種の育児方法のようなものなんです。
ですから、特別な幼稚園に通わなくてもまったくだいじょうぶです。
モンテッソーリを始めるには2歳じゃ遅い?
いえいえ、むしろ2歳はモンテッソーリを始める最適な時期です。
毎日のイヤイヤに毎日振り回されて困っている・・・
モンテッソーリは、そんなお母さんにピッタリの育児メソッドでもあるのです。
お母さんが毎日うんざりされている原因は、お子さんの強いこだわりから来る
「こうじゃなきゃ嫌!ああじゃなきゃ嫌!」といった類のイヤイヤではないでしょうか?
イヤイヤに付き合わされるとお母さんの時間も奪われるし、本当に疲弊してしまいますよね。
お母さん達を困らせるその「こだわり」は、
モンテッソーリでは「敏感期」と言っています。
「敏感期」というのは、実は子供がなにか新しいことを習得するときにあらわれます。
2歳さんは、1つのことに驚くほど執着したり、何度も何度も同じことを繰り返したりしませんか?
毎日毎日繰り返される奇行を、大人はイタズラだと思って注意したりやめさせたりしますよね。
しかし、子供はまた同じイタズラをするので大人はイライラしてしまうものです。
モンテッソーリ教育では、これをイタズラではなく、「敏感期」と捉えることで、
子供のやりたい欲求も、大人のイライラも解消してしまうのです。
私はこの点がモンテッソーリ教育の一番の強みでもあり、醍醐味だと思っています。
さあ、一体どのように解消するのでしょうか。
以下くわしくお話していきます。
2歳は敏感期のオンパレード!モンテッソーリを始めるには最適なイヤイヤ期。
モンテッソーリでいうところの敏感期は、
- 言語に関わる敏感期
- 秩序に関わる敏感期
- 運動に関わる敏感期
- 数に関わる敏感期
- 文字に関わる敏感期、などといくつかの種類に分けられます。
0歳からすでにいろいろな敏感期があらわれますが、
2歳で特に顕著に表れはじめる敏感期があります。
それが、言語に関わる敏感期と、秩序に関わる敏感期です。
たいてい2歳前後で、語彙爆発というものが起こり、発する言葉が爆発的に増えます。
話し言葉を習得していく時期でもありますので、「言語に関わる敏感期」が顕著に表れるのは、お分かりいただけると思います。
そしてもうひとつ、強いこだわりとして現れ、大人をよく困らせるのが
「秩序に関わる敏感期」なんですね。
例えば、食卓での座る場所が変わると、急に怒ること、ありませんか?
いつもはお母さんの左隣に自分が座るのに、今日は自分の左隣にお姉ちゃんが座っている。ただそれだけで怒って泣きだす。
また、お風呂でいつもは頭から洗うのに、たまたま今日は足から洗ったら癇癪を起した。
おもちゃの並び方がいつもと違うと機嫌が悪い。
実はこれらは、秩序に関する敏感期の現れなのです。
この時期になると、子供は「いつもと同じ」という事に安心感を覚えます。
そのため、順番や場所がいつもと違うことに非常にストレスを感じてしまうのです。
私自身も、モンテッソーリを知る以前は、この強いこだわりに正直「なんて面倒くさいんだ」と
イライラしたこともありました。
しかし、モンテッソーリを知って敏感期を知ったあとは、むしろこれはチャンスだと思えるようになりました。
モンテッソーリを始めるには2歳じゃ遅い?
いえいえ、むしろ2歳はモンテッソーリを始める最適な時期なんですね。
だって、秩序の敏感期を利用すれば、
おもちゃの片付け場所を徹底させたり、使ったものを元の場所に返す癖をつけたり、身に着けたいルーティンを身に着けさせたりできるのです。
イライラするのではなく、逆に絶好のチャンスだ!
と考えられるようになるんですよ。
例をあげてみましょう。
「玄関で靴をばらばらに脱ぎ散らかす」
そんな子供には、子供の靴を揃える場所をきちんと指定してあげ、マークをつけてあげると効果的です。
靴をそろえる場所に、足型(靴の足跡)マークを貼ってあげるのです。
赤い靴は赤いマーク、白い靴は白いマークにぴったり合わせるように決めます。
床にマークを貼るのが目立って抵抗ある方は、玄関の框部分に、小さい丸いシールを2つつけるだけでも同じ効果を得られます。
框のまるシールに靴の踵を合わせて揃えるように、決めて指示してあげます。
秩序の敏感期を利用すれば、次からは面白いぐらいマークに合わせて靴をぴったりそろえるようになりますよ!
それから、寝かしつけがなかなかうまくいかない子供も多いですよね。
秩序の敏感期のなかの、順序へのこだわりを利用して、寝かしつけのルーティンを作ることを
おススメします。
入眠前にするルーティンを2個から3個決めるのです。
例えば、我が家の子供達の入眠ルーティンは、
- ホットミルクを飲む
- 歯磨きをする
- 絵本を読む
- 消灯
の順番で、何年も何年もつづけています。
毎日同じ順番で同じことをするルーティンは、子供の安心感を増すことができ、自ら目的行動へ向かいやすくする働きがあります。
これを習慣づけるためには、順番に関わる敏感期を見極めてうまく利用するのが効果的なのです。
まだまだあります。
散らかりがちなおもちゃも、ひとつひとつ片付ける場所をしっかり決めてあげるのです。
おもちゃの片付け場所がきちんと決まると、子供は難なく決められた場所におもちゃを片付けることができるようになります。
たとえば、お人形ひとつにしても、大きな箱にお人形類すべてを投げ込むのもよいのですが、
お人形ひとつひとつに収納場所=お家をあてがってあげるのもおススメです。
片付ける場所やトレイには、そのお人形の写真を縮小したアイコンのようなものを
貼っておくと、よりわかりやすくて良いですよ。
このように「秩序の敏感期」を上手に利用すると、
のちのちに役立つ片付けの習慣を身に着けることができます。
そして、モンテッソーリ教具を収納する棚の片付け方にもつながっていきます。
モンテッソーリ教具の棚は、基本的にオープン棚です。
オープン棚ということは、究極の「見せる収納」ということです。
この、見せる収納を成功させるためには、ひとつひとつの物の居場所、住所をきちんと決めておくことが重要です。
敏感期を利用して、このポイントを押さえておくことで、子供は所定の位置に物を片付けないと気持ちが悪い、という感覚が身に付き、整理整頓が上手な子供に育つんですよ。
モンテッソーリ教具棚でよく使われる、絵マークやアイコンなどは文字がわからない子供達や、他の言語を母国語とする子供達にも、一目でわかるピクトグラムの一種と言えます。
多くの保育施設や児童施設でも利用されています。
是非、ご家庭でも取り入れてみてください。
子供の珍行動の謎が解ける!モンテッソーリで子育てをもっと楽しく!
モンテッソーリ教育の事をお堅い幼児教育のようにイメージしていた方は、だいぶ
イメージが変わったのではないでしょうか。
私は、お母さん自身がモンテッソーリ教育を知る最大のメリットは、
子育てがイライラするものから楽しいものへと変わる事だと思います。
特に初めての子育ては、わからない事だらけで子供にふりまわされ、なにひとつ自分の思ったように進まないことで、ほんとうにイライラがつのるものです。
なぜ、イライラするのかというと、子供の謎な行動がお母さんの理解を越えているからです。
たかが、お散歩のルートがいつもと違っただけで、なぜそんなに癇癪を起すのか。
それがまったく解せないから、対処方法もわからず、イライラするのです。
モンテッソーリで、例えば「敏感期」という発達の特徴を知ることで、子供の珍行動はだいぶ
お母さんにとっても理解できるようになるんです。
なぜ、そんなにこだわったり、癇癪を起こしたりするのかがわかるようになると、
お母さんの精神的な余裕はだいぶ違います。
だって、敵の攻撃が読めると対策を立てられますもんね。
対策をとって、こちらの対応を変えることができると、びっくりするほど簡単に子供の癇癪が治ったりするわけです。
そうなればこっちのもの!
面白いように子供も変わりますし、お母さんの笑顔も増えます。
近くにモンテッソーリ実践園がなくても、モンテッソーリのメソッドはおうちで簡単に実践できるものばかりです。
さらに、子供によっても敏感期の現れ方は千差万別ですので、2歳だから、3歳だからということもまったく関係ありません。
これから成長に応じて、さまざまな敏感期が訪れ、びっくりするような珍行動がみられるかもしれませんが、モンテッソーリを知っていれば怖いものはありません。
珍行動は単なるイタズラではなく、能力の獲得のための訓練で、子供にとって必要不可欠なものだと認識してみてください。
イタズラを訓練に変えるために、モンテッソーリ教具が存在します。
モンテッソーリ教具はいわゆるイタズラの代替品でもあるのです。
ちょっと難点なのは、モンテッソーリ教具はひとつひとつがとても高価だという点。
だから、正規品を買わずに身近なもので適当に手作りしても全然かまいません。
例えば、コンセントの穴に物をつめこむイタズラをする子供は、隙間に物を押し込むときの手指の動きや使い方を学習しています。
だから、コンセントの穴に似せた隙間と、その隙間に入れるものを、おもちゃとして用意してあげるだけで、これは立派なモンテッソーリ教具となるわけです。
子供は、代替品に興味を持てば本物と同じように「物を詰める」ということに熱心に取り組むようになります。
そうすると、欲求が満たされるので、実際にコンセントの穴には物を詰めなくなります。
子供も思う存分取り組めるうえに、親は逐一注意しなければならないイライラが解消されますから、大人も子供も幸せになる方法と言えます。
まとめ
いかがでしたか?
モンテッソーリ流の考え方がわかるだけで、辛いことばかりだった育児が、
興味深い楽しいものへと変わっていくんです。
これは魔法のメソッドだと思いませんか?
私自身も2歳のイヤイヤ期にだいぶ悩まされましたが、そんなときにモンテッソーリ教育の存在を知り本当に救われました。
それ以来、子育てがほんとうに楽しくなったのです。
是非、モンテッソーリ教育の考え方を勉強して、毎日の子育てに応用してみてください。
お母さんの毎日の気持ちの持ち方が劇的に変わると思います。