将棋の藤井聡太さんも幼児期に受けていたという、モンテッソーリ教育。
実際に我が子がモンテッソーリ幼稚園や、モンテッソーリ子供の家などに通っていたり、モンテッソーリ教育のメソッドを家庭でも取り入れてみると、この教育方法についてどんどん興味が湧いてきませんか?
実践してから子供の様子が明らかに変化すればなおさら、モンテッソーリ教育について学んでみたいと思うのではないでしょうか。
さて、モンテッソーリ教育に携わる教育者にはなにか特別な資格があるのでしょうか?
一般の幼稚園教諭や保育士の免許とはなにか違うのでしょうか。
勉強をはじめるにあたっては、その費用面もかなり気になりますよね。
このモンテッソーリ教師の資格について調べてみると、資格は大きく分けて3種類あることがわかりました。
そして、その種類ごとに資格の特質や受講のための費用、学び方なども異なっています。
海外でも通用する難易度の高い資格から、誰でも学べるオープンなものまであるようです。
まず1つ目は国際資格です。
日本のみならず、海外のモンテッソーリ教育施設で教育者として働くことができる資格です。
日本で取得できるトレーニングセンターは限られています。
どのトレーニングセンターも、保育士や幼稚園教諭の免許の保有者で実務経験をもった人が受講でき、1年間の実習を含めた、約2年間のカリキュラムを終えて試験を受けると、
国際免許が授与されます。
2つ目は、日本国内のみで認められる資格です。
この養成コースは東京、京都、広島、福岡、長崎などで開講されており、基本的に2年間のカリキュラムが用意されています。
こちらの出願条件としてほとんどが、保育士や幼稚園教諭の免許保有者とされています。
(長崎純心大学こども教育保育学科のモンテッソーリ教師養成コースのみ例外です。)
3つ目は、日本モンテッソーリ教育綜合研究所という団体が独自に発行している資格証です。
これは、保育士免許等の保有にかかわらず、誰でも学びたい人がひろく受講できる養成コースで、通信教育で学べる点が特徴的です。
5日間程度のスクーリングをのぞいて、教材や動画視聴によって自宅学習を行い、レポートを提出して必要単位をとっていくカリキュラムです。
子育てをしながら、お仕事をしながらでも勉強しやすいコースです。
モンテッソーリの資格取得にかかる費用は種類別で大きく異なる
さて、モンテッソーリ教育者の資格は3種類あることがわかりましたが、資格取得にかかる費用はどのぐらいなのでしょうか。
これは、その種類によって金額が大きく異なります。
金額の大きい順に、①国際免許 > ②国内免許 > ③独自発行資格証
となり、資格試験の難易度もこれに比例します。
まず国際免許からみてみましょう。
国際免許が取得できるトレーニングセンターは国内に3つあります。
入学金を含めた授業料が約70万~100万程度かかります。
また、在籍年数が延びると延長在籍料がかかるところもありますし、1年間の実習を含みますので、実習期間中にかかる別途費用もありそうです。
こちらは金額的にも、簡単には取り組めない敷居の高さがありますね。
つぎに国内でのみ認められている免許の場合は、養成コースを設立している団体が多数ありますので、金額にばらつきが見られます。
入学金から資格試験受験料まで含めて50万~90万程度かかるとみてよいでしょう。
全日制であったり夜間部でも違いがありますので、もし入学を検討される場合は
その団体にしっかりと問い合わせることをおススメします。
最後に、日本モンテッソーリ教育綜合研究所が認定する資格についてです。
こちらは30万~60万をみておいたほうがよいでしょう。
金額に幅があるのは、0~3歳コースは1年間のカリキュラム、2歳半~6歳コースが2年間のカリキュラム、とコースによって在籍年数が異なるためです。
また、夏のスクーリングが東京都内でしか開講していませんので、地方にお住まいの方の場合は、別途旅費なども考慮しておく必要があります。
モンテッソーリの資格を取得するとどのように生かせる?
モンテッソーリ教師の資格取得を考えたときに、まずどのように生かしたいかによって、目指す資格の種類が変わってきますよね。
私のように、モンテッソーリ教育に興味があり、「もっと勉強して日々の子育てに生かしていきたいっ!」と思うお母さんは多いのではないでしょうか。
30万~60万という費用はかかりますが、そんなあなたには3番目の資格はうってつけです。
さらに、保育士ではないけれど、仕事で子供に携わる分野を担当している場合や、
(私の友人は、市役所の保育課に配属されて、モンテッソーリ教育について勉強しはじめた人もいますよ。)
あらたに子供を対象とした事業を展開することになった、などの場合にも非常に役に立つと思います。
なぜなら、カリキュラムには、通常の保育士免許や幼稚園教諭免許を取得する際に学習する内容と重複する部分がたくさんあるからです。
保育士と同様に、子供の発達に関する基本的な知識をきっちり学ぶので、日々の子育てに自信が持てなかったり不安があるお母さんにも非常におススメです。
また、現役の保育士さんで、保育現場でもっとモンテッソーリ教具を取り入れていきたい場合や、モンテッソーリ実践園、こどもの家などで働きたい場合には、国内で認められているモンテッソーリ教師免許は非常に有利です。
幼稚園や保育園のみならず、学童保育や放課後デイサービスなどでお仕事をする場合や、発達支援の仕事にも役立つ資格です。
もともと医学博士でもあるマリア・モンテッソーリは、発達障害児の施設での経験をもとに、このモンテッソーリ教育法を考案しました。
ですから、発達障害をもつ子供での家庭教育であったり、自立支援の場でも大変役に立つ資格なのです。
また、モンテッソーリ教育というと、日本では幼稚園など就学前教育に限定されていますが、実は海外ではモンテッソーリの小学校もあります。
そこでは、12歳までの子供たちが引き続きモンテッソーリ教育を受けて成長しているのです。
残念ながら日本では、6歳~12歳対象のモンテッソーリ教師の資格を取得できるところがありません。
まずは、国内で2歳半~6歳コースの国際免許を取得したのち、海外で実務経験を積む必要があるそうです。
まとめ
いかがでしたか?
モンテッソーリ教師の資格には3種類あり、資格取得を目指そうと思った場合、その種類によって金額に大きな差があることがわかりました。
マリア・モンテッソーリという名前やモンテッソーリ教育法という言葉は、保育士や幼稚園教諭を目指して勉強している学生さんにとっては、誰でも学習するメジャーな存在です。
にもかかわらず、それを専門に学ぼうと思ったら、さらにこんなに時間と費用がかかるものなんですね。
なにごとも、本腰を入れて学ぼうと思ったらそれなりの覚悟が必要というわけですね。
資格取得を検討しているあなたにとって、やる気を後押しするような情報になれば嬉しいです。